フィレ・ド・ブーフ・ストロガノフ 3
この料理の主材料は牛肉のヒレ肉ですが、いわゆる松阪肉風の霜降り肉では、脂肪が多すぎて本当の旨味は出ません。
むしろ輸入の冷凍肉のヒレの方がいいのです。
この牛肉をうすく短冊状に切るか、料理人によってはダイス状(さいころ)に切ることもあります。
これを、特徴あるソースで煮込むのですが、問題はソースの作り方と味にあります。
見方によれば、ストロガノブ風という「風」がどこにあるのかわからなくなるほど、料理人によって味に変化があります。
この変化の度合は、技術の差というよりも、ストロガノブという名の料理として師匠から伝授された時に、すでに多種多様になっていたといってもよいでしょう。
ドミグラス・ソースそのままのソースだったり、パプリカ(辛味のない真赤なとうがらし)をふんだんに使った感のあるもの、サワー・クリーム(酸っぱくなった乳脂)を効果的に混入したもの、レモン汁を入れたものなど、レストランによってまことにさまざまです。